22世紀生命の時代への序章Ⅲ ~共生社会とインクルーシブ教育について~

特別支援教育が本格的に開始されてから5年が経過しました。そしてインクルーシブ教育がこの教育の中心的な課題として取り上げられるようになりました。この教育は、教育界の中だけで完結するような代物ではありません。共生社会という目標があって、その構築のために実践される教育でなければならないと考えられます。
共生社会の構築には、コミュニティー・ケアの構想と、それを実現させていく実行プログラムが必要です。また、インクルーシブ教育の立場も同様に、めざすべき共生社会を明確化し、それにアプローチしていく教育的実践を追究していく姿勢が問われることになります。
そこで、本研究協議会の前半の全体会講演に全国特別支援教育推進連盟理事長の大南英明先生を招き「共生社会とインクルーシブ教育」というテーマの中で、インクルーシブ教育の現況と今日的課題等を大局的な視点で講演していただきます。
後半のシンポジュウムでは、コミュニティー・ケア等実践の代表として豊島区駒込福祉作業所長の中野雅義先生に「障がい者と共生できる街づくり」というテーマで話題を提供していただき、「『みまもり住宅』奈良北プロジェクト総括管理者の土平俊子先生(日本アビリティーズ協会)に「ハンディキャップがあっても、最後まで自宅に住み続けられる仕組みについて」というテーマで話題を提供していただきます。インクルーシブ教育実践等の代表として東京都立水元特別支援学校の日高浩一先生に「インクルーシブ教育・スクールクラスターの構築について」というテーマで話題提供をしていただきます。
そして、めざすべき共生社会(コミュニティー・ケア)とインクルーシブ教育の双方向から、話題を提示しあい、シンポジュウムの中で、さらに、本テーマの核心に迫りたいと考えています。
 本研究協議会の参加者にもシンポジュウムの討論等に参加していただき、多くの方々の英知を結集し、より地に足の着いた研究協議会にしたいと考えておりますので、会員及び本研究会の共感者の方々の参集を願っております。

日本重複障害教育研究会 会長 猪瀬 義明
2013年5月17日